リゼッタ

待ち遠しいこと

2016年3月9日
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4月から始まる、朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が待ち遠しいです。

主人公のモデルは、”暮らしの手帖”という雑誌を、花森安治さんと共に戦後すぐに創刊した”大橋鎭子(しずこ)さん”。

 

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私は長年の熱心な読者というわけではなく、数年前に行われた花森安治展でみた花森さんの創った表紙のデザインや思想に惹かれたことがきっかけで、この雑誌の魅力を知ったという、にわかファンなのですが、4月を前に花森さんに関する書籍や大橋鎭子さんの自伝、”すてきなあなたに”というエッセイ集を数年ぶりに手にとり、気分を盛り上げています!

 

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“すてきなあなたに”は、1969年から雑誌で連載が続けられている(今も!)エッセイを、大橋鎭子さんが編集した本です。
大橋鎭子さんが、仕事をし、暮らしていく中で、出会った素敵な”ヒト”や”コト”。お料理やファッション、人生を重ねていくことについて・・・ちょっとした気配りや一言でその場がまあるく、やさしく豊かな気持ちになれる、ほんのささいな手間でとびきり美味しい料理ができあがる・・・そのような出来事を伝えるページをつくりたいという思いではじめられた連載です。
慌ただしい日常を送る中で、ふとするとすぐにこぼれ落ちてしまうぐらいささやかだけど、心に染みる出来事をそっとすくいあげ、したためられた文章たち。

 

私がはじめて手にとった20代は、自分らしくない何かを目指し、焦燥感がいっぱいで日常を送っていた時。本の上辺だけをさっと読んで満足し、内容がまったく記憶に残っていなく、長年本棚で眠っていたのですが、今改めて読み直すと心にじんわりと染みてきます。年齢を重ねた妙なのでしょうね。

 

1冊の本は月ごとの章に分かれています。どこから読んでもよいし、どこで閉じてもよいので、各巻の3月4月の章から読み直しています。

3巻3月の章から、お洋服にまつわるお話をひとつご紹介。

 

~黄色いセーター~

春は黄色を着たくなる季節。
このあいだ、銀座で、前からそんな色のがあったらな、と探していた春のセーターに出会いました。
春のお彼岸がすぎると、私は、黄色いセーターを着て、街に出ます。
玉子の黄味のような色のカーディガン、菜の花の黄色のセーターが、これで三枚になりました。
こんど出会ったのは、どちらかというと、レモンイエローのさわやかな黄色の、Vネックのセーターです。
真白いシャツエリをのぞかせて、このセーターを着たら、スカートは少しタイトなグレーのフラノに決まりです。
そういえば、四月は、黄色い花の季節です。タンポポ、菜の花、フリージャ、れんぎょう、まんさく、ミモザ・・・。黄色い花と緑の葉のとりあわせは、とてもやさしい。
テーブルの上もそうです。
ゆで玉子のみじん切りをレタスの上にかけると「ミモザサラダ」。緑色のレタスに黄色と白の玉子がふんわりきれいです。
ゆで上げたグリーンアスパラガスの上に散らすと食卓は春。
春は、黄色と緑の季節です。

 

 

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リゼッタにも、春色が並んでいますよ~。

 

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もう春は、足元までやってきていますね。

体の力をゆるめて、心ほがらかに優しい春をお迎え下さいね。