リゼッタ

リゼッタの白色

2015年8月12日
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出会いは一冊の雑誌でした。

 

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ルーシー・リーという陶芸家をご存知でしょうか?

1902年ウィーンに生まれ、36歳の時、戦火を逃れる為イギリスに渡ります。88歳で脳梗塞に倒れるまで、轆轤をまわし、美しい陶器を作り続けました。

 

13年前にふと目に留まった雑誌の表紙。その時からずっとルーシー・リーの器に恋しています。

 

自分を真っさらにしてルーシー・リーの器にむかいたくて、白いシャツを着て、美術館へ足を運びました。(千葉市美術館で8/30まで開催中)

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ルーシー・リーの器は、無駄のない極めて簡素なフォルムの中に、大胆な力強さと繊細な奥深さが同居し、静謐で凛とした存在感があります。

それはまるで、ひたむきで純真なルーシー・リーの生き方そのもの。

 

 

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繊細なうねり、優美な揺らぎに視線をまかせていると、何者にも相容れないひとつの宇宙に吸い込まれるような、そんな心地良さを感じます。

 

釉薬の色の研究にも膨大な時間をかけたルーシー・リー。晩年には、ターコイズ、ピンク、黄色・・・とあでやかな色も登場しますが、”白色”は、ルーシーにとって、ずっと特別な色だったようです。

白いエプロン、白いシャツ、白いスニーカーで轆轤に向かうことも多かったとか。

 

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黄みがかったあたたかな白、うっすらと青みがかった清冽な白・・・同じ白色がひとつとてない白釉の作品たち。

ひとつひとつがなんと饒舌なことでしょうか。

 

ルーシー・リー展の後、白色のトーンでお洋服をコーディネートしたくなりました。

そう、リゼッタの洋服にも美しい白色のヴァリエーションがあります。

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時を経たような、黄みがかった白:アンティークホワイト(antique white)/左上

絹の色:ソワ(soie)/右上

まっさらな白:ブラン(blanc)/真ん中左

うっすら水色がかった氷の色:グラッセ(glaser)/真ん中右

曇り空という名のグレーがかった白:グリシエル(gris-ciel)/左下

象牙色:イヴォワー(ivoire)/右下

 

さわやかさと愛らしさ、毅然とした凛々しさ・・・ルーシーのような精神の在り方をもったおばあちゃんにあこがれて・・・。

 

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白い服がいつまでも似合うように、時々自分を振り返りながら歩んでいきたいものです。