心地よい時間
2016年7月17日いまだ、むしむしとした毎日が続いていて、梅雨がまだ明けませんね。今年は短い夏になりそうです。
9ケ月になる甥っ子に初めての夏を楽しんでもらいたいと思い、手拭いでじんべいをつくることにしました。(じんべいを着ている甥っ子をみて、私が楽しみたいだけなのですが・・・)
まずは、人形町にある手拭い専門店へ。
惹かれるのは藍色と白色で染め抜かれた、縁起を担いだ古典柄です。
「麻の葉」・・・麻は丈夫ですくすく育つことから、子供の健やかな成長を願い、産着などでも良く使われます
「千鳥」・・・千鳥=”千取り”の語呂合わせから、”大願成就”の意味を持つそう
「とんぼ」・・・前にしか進まないことから”不退転”の精神を表し、”勝ち虫”とも呼ばれ昔から武具などにも好んで使われてきました
迷った末選んだのは、のんびりとした雰囲気が気に入った「とんぼ」柄。
手拭い2枚から、じんべいとパンツ分がぴったりととれます。
昔取った杵柄で(といっても、単衣着物の仕立てまでで挫折してしまいましたが)久しぶりに和裁の道具をひっぱりだしました。
和裁コテは小回りがきいて便利!
和裁は、反物を直線で裁ち、すべて手縫いで仕立てることが昔ながらの方法です。
足指を使い布を張り、波縫いでぐんぐん縫い進む”運針”と、縫い目が見えず布と布の間を針が通っていく”くけ”という二つの縫い方で仕上げます。
直線縫いの部分はもちろんミシンを使っても良いのですが、のんびりと手縫いでちくちくと進めました。
この時期、街は(リゼッタもですが)セールモードで、気持ちがそわそわざわざわ(もちろん、うきうきも)していたのですが、手先を使って一つの事に集中すること半日。気持ちが”すーん”とし、なんだか心地良い時間を過ごせました。
昔は、ミシンも洗濯機も掃除機もブレンダーもなく、洗濯板で洗ったり、箒をかけたり、すり鉢で何かを擂ったり・・日常の暮らしの中で、自然と無心になれる時間をもっていたのかもしれませんね。
時々、あえて時間も効率も気にしないヒト時をすごしてみることもよいな・・・と思った休日でした。